SLEEP & ACUPUNCTURE

眠れない夜が続くあなたへ
睡眠の仕組みと、鍼治療でできること

「疲れているのに、なかなか眠れない」
「夜中に何度も目が覚める」
「眠ったはずなのに、朝から疲れている」

睡眠の不調には、ストレスや生活リズム、 身体の痛み、病気など、さまざまな要因が関係しています。 このページでは、眠れなくなる仕組みと、 鍼治療で期待できることを 医学的・科学的な視点からわかりやすく解説します。

01 / SLEEP PATTERNS

あなたの睡眠は、どのタイプ?

「眠れない」といっても、その現れ方は人によって異なります。 まずは、ご自身の睡眠の状態を振り返ってみましょう。

入眠困難 DIFFICULTY FALLING ASLEEP

布団に入っても、なかなか寝つけない状態。 考えごとが止まらない、眠ろうとするほど 目がさえてしまう、といった悩みもあります。

中途覚醒 WAKING DURING THE NIGHT

夜中に何度も目が覚めたり、 一度起きるとなかなか眠り直せなかったりする状態。 睡眠が細切れになることがあります。

早朝覚醒 EARLY MORNING AWAKENING

予定よりかなり早い時間に目が覚め、 まだ眠りたいのに再び眠れない状態。 睡眠時間が不足する場合があります。

熟眠感の低下 NON-RESTORATIVE SLEEP

睡眠時間は確保しているのに、 ぐっすり眠れた感覚がない状態。 朝から疲労感や眠気を感じることがあります。

複数のタイプが重なることもあります。
これらは睡眠の不調の現れ方を整理したもので、 症状だけで不眠症と診断されるわけではありません。 不調が続き、日中の生活に影響している場合は、 医療機関での評価も大切です。
04 / HOW ACUPUNCTURE MAY HELP

鍼治療は、睡眠にどう役立つのでしょうか?

「疲れているのに眠れない」
「身体が緊張して、なかなか寝つけない」
「肩こりや痛みが気になって、夜中に目が覚める」

そんな状態では、睡眠そのものだけでなく、 身体の緊張や不快な症状にも目を向けることが大切です。

鍼治療は、身体に加えた刺激を神経系が受け取ることで、 痛みの調節や身体の反応に働きかける治療です。

不眠に対する臨床研究でも、 睡眠の質や不眠症状の改善が報告されており、 睡眠に悩む方のケアの選択肢として研究が進められています。

鍼治療で期待する、3つのアプローチ

01|神経系への働きかけ

鍼による刺激は感覚神経を通じて 中枢神経系へ伝わります。 睡眠と覚醒に関わる神経活動への影響も 研究されており、 不眠症状の改善につながる可能性があります。

02|身体の緊張や不快感へのケア

首肩のこりや筋肉の痛みなどが 睡眠を妨げている場合には、 その症状への施術も大切です。 身体の不快感が軽減することで、 眠りやすさにつながることが期待できます。

03|睡眠の質へのアプローチ

不眠を対象とした研究では、 睡眠の質や不眠の重症度を評価する指標に 改善がみられた報告があります。 寝つき・中途覚醒・朝の状態などを 確認しながら変化を追っていきます。

鍼の刺激が身体に伝わる仕組み
鍼による皮膚・筋肉などへの刺激
↓
感覚神経を通じて情報が伝わる
↓
脳・脊髄などの神経系が反応する
↓
痛みの調節など、身体の反応に影響する

鍼刺激による神経系への作用は研究されていますが、 不眠症状の改善にどの仕組みがどの程度関わるかは、 引き続き検討されています。 そのため、施術では睡眠の変化を実際に確認することを大切にします。

03 / BRAIN & AUTONOMIC NERVOUS SYSTEM

睡眠と自律神経・脳の関係

私たちの脳には、覚醒を維持する神経回路と、 睡眠を促す神経回路があります。 これらが互いに作用しながら、 眠っている状態と起きている状態を切り替えています。

脳が調節する「覚醒」と「睡眠」

覚醒を維持する働き

脳幹・視床下部などの神経回路が、 注意力や意識の覚醒を支えます。

⇄

睡眠を促す働き

視床下部の睡眠促進回路などが、 覚醒を維持する神経活動を抑えます。

※実際には多くの神経回路・神経伝達物質が関わります。 この図は睡眠と覚醒の切り替えを簡略化したものです。

自律神経は睡眠とどう関係する?

自律神経は、心拍・血圧・呼吸・消化などを 無意識に調節しています。一般に、安定した ノンレム睡眠では副交感神経の影響が相対的に強まり、 心拍数や血圧が低下する傾向があります。 一方、レム睡眠では自律神経活動が変動しやすくなります。

ストレスが続くと、なぜ眠りにくい?

心配ごとや緊張が続くと、 注意や警戒に関わる脳の活動が高まり、 寝つきにくさや途中で目が覚める状態につながる場合があります。 こうした状態には、ストレス応答に関わる HPA軸や自律神経も関与すると考えられています。

「リラックスすれば眠れる」とは限らない

睡眠は自律神経だけで決まるわけではありません。 体内時計、睡眠圧、痛み、睡眠時無呼吸、 薬剤、心理的要因なども関係します。 そのため、眠れない原因を一つに決めつけず、 複数の視点から状態を確認することが大切です。

ここがポイント
睡眠の不調は、単に「交感神経が優位だから」とは 説明できません。脳の覚醒状態や体内時計、 身体の症状などが重なっている場合があります。 だからこそ、個々の状態に合わせたアプローチが重要です。
RELATED COLUMN
ストレスと身体の関係を、もう少し詳しく知りたい方へ。
ストレスと身体の関係|HPA軸の働きを読む →
04 / HOW ACUPUNCTURE MAY HELP

鍼治療は睡眠にどう作用する?

鍼治療は、身体の特定の部位に刺激を与える施術です。 その刺激は感覚神経を介して神経系に伝わり、 痛みの調節や自律神経活動などに影響することが 研究されています。

睡眠への作用についても研究が進められていますが、 すべての仕組みが解明されているわけではありません。

鍼刺激が神経系へ伝わる流れ
鍼による身体への刺激 皮膚・筋肉などに存在する感覚受容器や神経終末が刺激される
↓
感覚神経を通じて情報が伝わる 脊髄や脳幹などの中枢神経系へ入力される
↓
神経系の活動に影響する可能性 痛みの調節・自律神経反応などに関わる
↓
睡眠に関わる症状の改善につながる可能性 睡眠の質や寝つきなどへの影響が臨床研究で検討されている

※これは神経生理学的な作用を簡略化した模式図です。 鍼刺激から睡眠改善までの因果経路が すべて実証されているわけではありません。

① 自律神経活動への影響

鍼刺激によって、心拍変動などの 自律神経関連指標に変化がみられる研究があります。 ただし、その変化が不眠の改善を直接説明するかは、 まだ明確ではありません。

生理学的研究が進行中

② 脳の活動への影響

鍼刺激による脳活動の変化は、 脳画像研究や基礎研究で検討されています。 睡眠・覚醒を調節する神経回路への作用も 仮説として研究されています。

作用機序は研究段階

③ 痛みや身体の不快感へのアプローチ

首肩の痛みや慢性的な身体の不快感は、 睡眠を妨げる要因になります。 鍼治療による疼痛軽減が得られれば、 眠りやすさにも良い影響が及ぶ可能性があります。

疼痛への臨床研究あり

④ 睡眠の質への影響

不眠に対する鍼治療の臨床試験では、 主観的な睡眠の質などが改善したという報告があります。 一方、研究ごとに治療条件や比較方法が異なり、 効果の確実性には限界があります。

臨床研究あり・結果にばらつき
鍼治療は、眠れない原因をすべて取り除く治療ではありません。
しかし、痛みや身体の緊張など睡眠を妨げる要因に働きかけ、 睡眠の改善を支える選択肢の一つになる可能性があります。 原因に応じて、生活習慣の調整や医療機関での治療と 組み合わせて考えることが大切です。
05 / CLINICAL EVIDENCE

鍼治療による睡眠改善について、研究でわかっていること

「鍼治療で、本当に睡眠が変わるの?」

そう疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
実は、不眠に対する鍼治療は、 世界各国で臨床研究が行われています。

鍼治療を受けた方で、
睡眠の質や不眠症状の改善が報告されています。

不眠に対する鍼治療の研究では、 偽鍼などの比較治療と比べて、 睡眠の質や不眠の重症度を評価する 質問票の点数に改善がみられた報告があります。

これは、鍼治療が睡眠の悩みに対する ケアの選択肢になり得ることを示す結果です。

研究では、どんな変化を調べているの?

01 / SLEEP QUALITY

睡眠の質

「よく眠れたと感じるか」 「睡眠にどのくらい満足しているか」 など、本人が感じる睡眠の状態を 質問票で評価します。

02 / INSOMNIA SEVERITY

不眠のつらさ

寝つきの悪さや中途覚醒、 睡眠への不満、 日中の生活への影響などを含めて、 不眠症状の程度を評価します。

03 / SLEEP MEASUREMENT

実際の睡眠時間

睡眠の長さや途中で起きている時間を、 睡眠検査などで測定する研究もあります。 本人の実感と客観的な測定結果は、 必ずしも一致しません。

RESEARCH / 2025

慢性不眠症を対象とした臨床研究のまとめ

2025年に報告されたシステマティックレビューでは、 慢性不眠症に対する鍼治療について、 複数のランダム化比較試験の結果が検討されました。

主な結果
偽鍼と比較して、 本人が評価する睡眠の質や 不眠の重症度に改善が認められました。

一方、客観的に測定した総睡眠時間については、 明確な改善が確認されなかった結果もあります。 つまり、睡眠の満足度や不眠のつらさの改善と、 実際の睡眠時間の増加は、 分けて考える必要があります。

研究結果をどう受け止めればよいのでしょうか?
鍼治療には睡眠改善を示す研究結果がありますが、 研究ごとの方法や質には違いがあり、 すべての方に同じ効果が得られるとは限りません。
また、慢性不眠症では認知行動療法(CBT-I)が 第一選択の治療として推奨されています。 鍼治療は、必要な医療と組み合わせて検討する選択肢です。

当院が大切にしていること

私たちが確認したいのは、 研究で効果があったかどうかだけではありません。

あなた自身の寝つきや中途覚醒、 朝の目覚め、日中の体調が どのように変わっていくか。

睡眠の状態を丁寧に伺い、 必要に応じて睡眠記録なども活用しながら、 施術による変化を一緒に確認していきます。

06 / OUR APPROACH

眠れない理由は、一人ひとり違うから。

同じ「眠れない」という悩みでも、 寝つけない方、夜中に何度も目が覚める方、 眠っても疲れが取れない方では、 睡眠を妨げている要因が異なることがあります。

当院では、睡眠の症状だけでなく、 身体の状態や日々の生活にも目を向けながら、 施術方針を考えていきます。

目指すのは、ただ睡眠時間を長くすることではありません。

夜の眠りに対する不安が軽くなること。
朝、少しでもすっきりと目覚められること。
日中を、今より心地よく過ごせること。

そんな日常の変化を目標に、 一人ひとりの状態に合わせたケアを行います。

3つの視点から、睡眠を考える

鍼灸

神経系への刺激や、 首肩のこり・痛みなど 睡眠を妨げる身体症状への施術を行います。 体調や刺激への感受性を確認しながら、 施術部位や刺激量を調整します。

栄養医学

食事のタイミングや内容、 カフェイン・アルコールの摂取、 栄養状態に関係する情報などを確認します。 必要に応じて食生活の見直しを提案します。

生活習慣

起床時刻や朝の光、 運動、夜の過ごし方など、 睡眠リズムに関係する習慣を確認します。 続けやすい工夫を一緒に考えます。

例えば、こんなお悩みには
「疲れているのに、なかなか寝つけない」

眠る前の過ごし方やストレスの状況を伺い、 身体の緊張や痛みなども確認します。 鍼灸施術とともに、睡眠リズムを整える方法を考えます。

「夜中に何度も目が覚める」

目が覚める時間帯や回数、 痛み、飲酒、夜間頻尿などの有無を確認します。 必要に応じて医療機関での評価も勧めながら、 施術で対応できる身体症状に目を向けます。

「眠っているのに、朝から疲れている」

睡眠時間だけでなく、 日中の眠気や疲労感、 いびきなどの情報も確認します。 睡眠時無呼吸症候群などが疑われる場合は、 医療機関での検査を優先します。

ご来院から、睡眠の変化を確認するまで

01

睡眠の状態を丁寧に伺います

寝つき・中途覚醒・起床時の状態・日中の体調など、 現在のお悩みを確認します。

02

睡眠を妨げる要因を整理します

身体症状、食事、生活習慣などを確認し、 何から取り組むかを一緒に考えます。

03

状態に合わせた鍼灸施術を行います

身体の状態や刺激への反応を確認しながら、 無理のない施術を行います。

04

睡眠と日中の変化を振り返ります

寝つきや夜間の目覚め、 朝の疲労感などの変化を確認し、 その後の施術方針を調整します。

眠れない原因を、一つに決めつけない。

鍼灸の専門性に栄養医学の視点を組み合わせ、 身体と生活の両面から睡眠を考えること。

それが、当院の大切にしているアプローチです。
07 / SLEEP SELF-CARE

睡眠を整えるためにできること

睡眠は、夜の過ごし方だけで決まるものではありません。 朝から夜までの生活習慣が、 体内時計や眠気の蓄積に影響しています。

すべてを一度に変える必要はありません。 取り組みやすいことから始めてみましょう。

01|朝の光を浴びる

起床後はカーテンを開けたり、 屋外で自然光を浴びたりしましょう。 無理のない範囲で朝の散歩をするのも一つの方法です。

なぜ?
光は体内時計を調整する重要な刺激です。 朝の光は、睡眠と覚醒のリズムを整える助けになります。

02|起床時刻をそろえる

休日も含め、起きる時刻が大きくずれないように 意識してみましょう。 眠れなかった翌朝も、長い寝坊を避けることが リズムの維持に役立ちます。

なぜ?
起床時刻の大きな変動は体内時計を乱し、 夜に眠くなるタイミングにも影響します。

03|カフェインの時間を見直す

コーヒーやお茶、エナジードリンクなどの カフェイン摂取を確認しましょう。 眠りにくい方は、特に夕方以降の摂取を 控えることを検討します。

なぜ?
カフェインは眠気に関係する アデノシンの受容体を遮断し、 覚醒を維持する方向に働きます。

04|眠れないときは無理に寝床にいない

眠ろうと頑張るほど、焦りが強くなることがあります。 しばらく眠れず苦痛を感じるときは、 一度寝床を離れ、静かな活動をして 眠気が戻ってから横になる方法があります。

なぜ?
寝床と「眠れない不安」が結びつくのを防ぐ、 不眠症の認知行動療法に含まれる考え方です。

05|日中に身体を動かす

散歩や軽い運動など、 続けられる活動を取り入れましょう。 運動の強度や時間帯は、 体調や生活に合わせて調整します。

なぜ?
定期的な身体活動は、 睡眠の質の改善に役立つことが 研究で報告されています。

06|夜の光と刺激を調整する

就寝前は照明を少し落とし、 スマートフォンでの仕事や刺激の強い情報を 見続けないよう工夫しましょう。 使う場合は明るさや内容を調整します。

なぜ?
夜間の強い光は体内時計に影響します。 また、情報による心理的な興奮も 寝つきを妨げる場合があります。
生活習慣を整えても眠れないときは
不眠には、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、 痛み、服薬、こころの不調などが関係することもあります。 長く続く場合や日中の生活に支障がある場合は、 医療機関での評価も検討しましょう。

ストレスと睡眠の関係については、 こちらのコラムでも解説しています。
ストレスと身体の関係|HPA軸の働き →
08 / FAQ & RESERVATION

睡眠のお悩みについて、よくあるご質問

初めて鍼治療を受ける方や、 睡眠について相談するのが初めての方から よくいただくご質問をまとめました。

鍼治療で、眠れるようになりますか?

不眠に対する鍼治療の臨床研究では、 睡眠の質や不眠症状の改善が報告されています。

ただし、睡眠の状態や不眠の背景は 一人ひとり異なります。 当院では、寝つき・中途覚醒・朝の疲労感など、 お悩みに合わせて施術を行い、 実際の変化を確認していきます。

何回くらい通うと変化を感じられますか?

必要な回数は、症状の期間や身体の状態によって異なります。 そのため、最初から一律の回数を お約束することはしていません。

施術後の睡眠や日中の体調を確認しながら、 継続の必要性や施術の進め方を一緒に考えます。

睡眠薬を飲んでいても受けられますか?

睡眠薬を服用している方も、 体調や治療状況を確認したうえで 鍼治療を検討できます。

お薬は自己判断で減量・中止せず、 処方医の指示に従ってください。 服薬内容についても問診時にお知らせください。

病院に通っていても相談できますか?

はい。医療機関で治療を受けながら、 鍼灸を併用することも検討できます。

現在の診断や治療内容を確認し、 必要な医療を継続しながら、 鍼灸でお手伝いできることを考えます。

鍼が初めてで、痛みが心配です。

鍼の刺激の感じ方には個人差がありますが、 当院では体調や刺激への感受性に合わせて 施術を調整します。

強い刺激が苦手な方も、 施術前に遠慮なくお伝えください。

栄養や生活習慣も相談できますか?

はい。当院では、鍼灸に加えて 栄養医学の知識を活かしたご相談も承っています。

食事のタイミングやカフェイン、 生活リズムなどを確認し、 必要に応じて無理なく続けられる方法を 一緒に考えます。

A BETTER NIGHT, A BETTER DAY

「眠れない」が当たり前になる前に。
身体から、睡眠を見直してみませんか?

夜、眠ることへの不安が少し軽くなる。
朝、すっきりと目覚められる日が増える。
日中を、今より心地よく過ごせる。

そんな毎日を目指して、 今の睡眠の状態や身体の悩みを 一緒に整理するところから始めましょう。

✓ 睡眠のお悩みを丁寧にお伺いします
✓ 体調に合わせて鍼の刺激を調整します
✓ 鍼灸・栄養医学・生活習慣の視点から考えます
✓ 睡眠や日中の体調の変化を確認します
東麻布鍼灸院 salon de moe -azabu-
赤羽橋駅 徒歩3分|完全予約制
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